2005年12月03日 更新!

05/03/19~21 - リベンジ甲斐駒坊主尾根

山域:南アルプス(甲斐駒ケ岳)
2005年3月19日(土)~3月21日(月)
メンバー:植松 一好(白鳳会)
      佐久間 慎一(無所属)
      萱沼 進(山梨学院大山岳部)
      関 秀倫
ルート:3/19 山梨大学= 韮崎= 篠沢橋~1,067mピーク~ツヅミの頭~偽ヤニクボ
         ~ヤニクボの頭~宮の頭~B.C
     3/20 B.C~最低鞍部2,094m~八合目~甲斐駒ヶ岳山頂~八合目~最低鞍部~B.C
     3/21 B.C~ニセヤニクボ~ツヅミの頭~篠沢橋=韮崎= 山梨大学

 植松さんが前々から気に掛かっていた尾根で、暮れに甲斐駒に行ったときに、この尾根をやった人(裾野麗峰山の会、後藤さん。「一千万もらっても二度とこの尾根はやらん」の名言を作った人)に会って。挑戦することに。
2月の挑戦は散々だった。自分の弱い部分を知ることが出来た山行であった。宮ノ頭後の最低鞍部地点で「ここからが挑戦だ。」と思い、当時挑戦することが出来なかった悔しさ。その悔しさを胸に、長大で高低差のある尾根を下って行く度に悔しさが倍増していった。甲府にいても西に甲斐駒が、ピラミダルな山様に長大な黒戸尾根、そして憎き坊主尾根が見える。「悔しい、絶対に落としてやる。」と、思う日々が続いた。そして再び挑戦へ・・・。

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一日目(3/19 晴天)
沼さん寝坊でチョイと遅れたが、目指すは坊主尾根末端。とにかく時間との勝負、準備も迅速に、準備中の各人から、今回は「絶対に落とす」と言う様なオーラーが出ているのが感じられる。
春が近いからか、取り付き部分の笹薮は先週よりも元気が増している感がある。笹薮途中から先頭を任される。視界、行く手を笹薮に邪魔されようがガンガン行きます。今回で3回目の坊主尾根、かって知ったる坊主尾根。それに我々の頭には笹薮ジャングルなんか目にはいらないくらい坊主尾根征服、甲斐駒頂上の事で頭がいっぱいなのである。
ツヅミの頭に9時過ぎに到着。前回よりも早く良いペース。ココからが急登なのでまだ気を緩めることが出来ない。ツヅミの頭~偽ヤニクボにブッシュが途切れ視界が利くところがある。ここからの甲斐駒がとにかく素晴らしい。深い谷底から摩利支天、ピラミダルな頂上までがダイナミックに現れ、天に届きそうな高さと天と地とを隔てるスカイラインが甲斐駒の存在感を倍増させているのだ。とにかく雄大且つ荘厳な山様が見え、まさにココぞ甲斐駒といった感じで、多分ココからしか、この眺めは得られないであろう的場所。是非とも甲斐駒好きには訪れてもらいたい場所だ。この時期で軽身なら下から3時間くらいで来られるだろう。先週入ったときは天候により眺望がきかなかったが今日は晴天。これを萱沼君に見せたかったのだ(勿論、高木君や伊藤君、山岳部員にも)。

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ルート工作の甲斐ありブッシュに絡む事無く、雪に埋まる事無く偽ヤニクボに。二月のときはツヅミの頭~偽ヤニクボを6時間以上かかったが今回は2時間ちょっと。とりあえず「フー」だよね。偽ヤニクボからは鳳凰や早川尾根が良く見え、この時期雪が解けかかっていて雪が金色や銀色に光っていて鳳凰や早川尾根の山肌の雪面が綺麗である。ココまで来たからには絶対に宮の頭を抜けるとあらためて思う(幕営出来る場所が限定される尾根なので)。偽ヤニクボ~ヤニクボの頭は超急登。時折、腰まで埋まりながらも重荷でガンガンラッセル。超急登も終わりヤニクボの頭を少し下れば、またまた甲斐駒が顔を出す。ここも素晴らしい景色で、皆しばし言葉を失う。

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ヤニクボの頭~宮の頭はナイフエッジ帯。慎重に且つ迅速に。途中5mの壁はFixを張って抜ける。その後は特に注意するところも無く、ラストスパートかけて、15時には宮の頭についた。幕営地は甲斐駒が見えるところ。時間があるので整地、風対策はしっかりと、でも、まだまだ時間はある。摩利支天に沈む太陽、夕日に輝く千丈をじっくりと眺めて。宴に突入、今日ココまで来た事に乾杯し明日のために豪勢な夕食を鱈腹たべて早めに就寝。

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二日目(3/20 高曇り時々晴れ)
いよいよ勝負のときである。朝焼けに赤く染まる甲斐駒を前に、改めて「今日こそは絶対に落とす!」と気合を入れる。植松さん、佐久間さんは軽身で学生2人はザック背負って、かつ今日も自分は先頭を任される。

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まだ薄暗い林の中を最低コルに向かって勢い良く降りて行く。ココまでは来た、ココからが未知だ。ブッシュに飛び込む、岩をまたぐ、倒木をくぐる、斜面がきつくなる。ルーファイしながらラッセルかつノコギリ作業。フー。とにかく行く。前週、前日、当日に地形図を確認して地形を頭に入れているつもりでも微妙なルーファイが続く。「うえまっさん、お願いしますぅ。」で隊の順番は植松さん(ルーファイ)、佐久間さん(ルート整備)、萱沼君(ザック)、関(ザック、シンガリ)で行く。これが効率良く、雪の中をズンズン高度をグングン稼ぐ。しかし八合目まではマダマダ。途中ブッシュ開けて甲斐駒・摩利支天のせり上がりが横に見えてきた。またも甲斐駒のデカさに声を失う。でもでも、マダマダ。高度が上がるにつれて雪の量が増え、斜面も急になる。よって、最後尾を歩く自分は雪が物凄く落こってくるのである。時たまミニ雪崩並みに雪をかぶりながらも前進あるのみ。

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 樹林が少なくなると斜面のきつさも際立ってきてココで落ちたら「お父さんお母さんごめんなさい」的ところをノーザイルで行く。自分最後なので落ちても気がついてもらえないなぁーと考えながら。絶対に落ちないよう自分の持っている技術をフルで、ピッケルワーク、アイゼンワークで慎重に抜ける。後に植松さん「途中からザイル出せばよかったと思ったが、落ちんラー、で上がっちまったー。」と。
ココを抜けきると稜線に出る。谷側(登り方)から見て左は深い谷右は斜面があるが雪庇?つーところを、これまた慎重に抜ける。八合目がみえる小台地で休息。摩利支天とほぼ同じ高さに、完全に核心は越えた。ノートレースのなだらかな雪面を八合目に向かって確実に軌跡をつけて行く。

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11:30トレース、登山道のある八合目に着いた。誰も居ないが崩壊した鳥居の支柱だけが我々を出迎えてくれた。ここでみんなで握手。勿論手袋脱いで素手で、熱く、硬く、健闘を。時間はまだある、坊主尾根をやったと言う高揚感に包まれた勢いのまま頂上を目指すことに。ココでザックをデポし、食糧、水、ザイルだけもって頂上へ。頂上まではトレースばっちりで問題なく到着。

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 去年の5月に初めて甲斐駒の頂上に来たときは頂上から見えた山々に感動していたが、今日、360°視界も利き景色も良く、八つ、秩父、富士山、鳳凰、北岳、千丈、南ア、中ア、北アどれも綺麗であるが目に入らないくらいで、なんといっても主役は甲斐駒。この甲斐駒の長大且つ険しい尾根から上がってきた我々は自分たちがその山のテッペンに居ることに感動しているのだ。そんな感動の頂上に後ろ髪引かれつつ下山。下山途中我々のB.Cが見える。あんな下に、嫌になるくらい長い尾根の中に見える。

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登りは、騙し騙し行ったところも、下り騙しながら行くわけには行か無そうで、下りが真の核心的に慎重に行く。一番急だったところは1ピッチ50m命一杯で懸垂。支点の木の皮のフリクションが高くてザイルが引けないのでスリングを残置して支点を作る。(自分のスリング使用。誰も行かないようなところに自分の来た証を残した事に優越感を感じた。)この懸垂終われば後はショッパイところも無く最低コルまでノンストップで、B.Cには16時過ぎに到着。互いの労をねぎらいテントの中で乾杯。みな今日と言う最高の日を成したことに高揚感、感動、興奮、絶頂・・・の思いである。そんな、こんなで豪勢な料理と今日の山の話、甲斐駒の話、山の話、我らチームの話・・・を酒の肴に宴は夜遅くまで続いたのであった。

三日目(3/21 晴天)
朝、テントの外は突風の音が凄い。幕営地はエアーポケット的に安定している。日が昇れば安定するだろうと予想。どうせ下山だけだしのんびり降りましょう。

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 重荷なので微妙箇所は念のため懸垂。それでも懸垂パパッと歩行足取り軽くのんびり休み休み坊主尾根からの眺望を楽しみながら下山。

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 15時には下に到着で無事、往路復路とも甲斐駒・坊主尾根を完全制覇。
駒城橋わたって振り返れば聳え立つ甲斐駒と坊主尾根。しばし自分たちが歩いたところを見ながら今山行を振り返る。20号を韮崎に戻る道中でも甲斐駒を見ながら甲斐駒の話である・・・。

長い長い挑戦。長かった分、甲斐駒への気持ちが膨らみ、植松さんの様に甲斐駒の虜になってしまった・・・。
この甲斐駒の魅力を味わうには、やはり仙水峠からや黒戸尾根からでは不十分であると思う。是非、このルートに岳人や甲斐駒好きが訪れてくれることを願う。

                                                 【関 秀倫】

行程:
05/3/19
  山梨大学 3:45=4;10 韮崎4:20=5:00 篠沢橋 5:20~6:10 1,097mピーク 6:30~9:15 ツヅミの頭 9:35~12:00 偽ヤニクボ 12:30~12:50 ヤニクボの頭 13:00~15:00 宮の頭 15:05 ~15:10 B.C
05/3/20
B.C 6:00~6:15最低鞍部2,094m~11:30八合目11:40~12:40甲斐駒ヶ岳山頂12:45~13:30八合目13:40~15:40最低鞍部~16:10 B.C
05/3/21
B.C 8:20~10:00ニセヤニクボ10:20~11:30ツヅミの頭12:00~14:40篠沢橋15:00=15:40韮崎 17:30=18:10 山梨大学

:: 2005年12月03日 00:56
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山岳部さんからのコメント★ : 2006年04月11日 08:21

坊主尾根のピストンをやられたようですね。
小生、2003年5月に登りました。
「開」の書かれた赤い○カードを適当に残して
きましたが、まだありましたかね。

いい尾根です。


セキさんからのコメント★ : 2006年06月08日 22:29

‘山岳部さん‘コメントありがとうございます。
「開」の書かれた赤い○カードは覚えておりませんが赤テープは多く存在していました。

>>いい尾根です。
まったくです。あの尾根から見える甲斐駒は最高です!
よっぽどの物好きでなければ行かないようなところですが、行けば更に甲斐駒好きになるような、山馬鹿まっしぐらなところです。


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